ガメ煮とは平たく言うと筑前煮のことです。私の母様は福岡(筑前)なのですが、かの地においては筑前煮のことをガメ煮といいます。私の祖母(その名もサメ)から母様が受け継いだ殆ど唯一のレシピと言えるでしょう。そいつを私が母様から受け継いだという訳です。私の実家では正月など母様が必ずこのガメ煮を作ったりしております。以下、母様のレシピ。
筍(水煮のもの)、里芋、人参、大根、れんこん、ごぼう、こんにゃく、絹さや、干ししいたけ、を用意。絹さやは別に湯がいておく。干ししいたけは水でもどす。
これ等の根菜類を一口大の乱切りに。太陽と大地の恵みを、うれしいと、微笑みながら、包丁をもつと、おいしさもいやます。
野菜は、各々別個に湯がく。固めに、色あざやかに。
鍋に軽く油をしてこれらと、鶏のもも肉を一口大に切ったものを入れて軽くいためて、干ししいたけのもどし汁(1カップ)をいれ、中火で煮込む。
味つけは砂糖、塩、しょうゆ、酒でお好みに。
絹さやをちらす。
だそうです。
私は太陽と大地の恵みを~、はやらず、この間のリハの録音を聴きながら根菜類の皮むき、乱切りにしたので、微笑むことままならず、険しい表情で包丁をもったのでした。しかし泥ごぼうのそれこそ泥まみれの皮を、包丁の刃を立ててそぐように滑らせると、キレイな白い果肉が姿を現すのにはチト感動しました。
で煮込み用の汁を1カップというのを無視してあまりに大量の煮汁で煮たため、煮詰めるまで時間がかかり、その間は鍋の火をつけっ放しにしてNHKの宮崎駿特集を見てました。
でお味はそんなずさんな作り方のためか、やや煮詰まり過ぎてしまい、いつも食べ慣れた味とは微妙に違ってしまいました。妻も“●●●(母様の名)さんのと違う”と辛辣な言葉を浴びせかけました。
いや。しかし美味かったです。妻
も何だかんだ言ってお替りを要求し、拒むと煮汁を飲み始めたので止めました。なんつーか、根菜類万歳ですね。
ついでに他に手抜きをしたのは、干ししいたけがなかったので普通の生しいたけにしたこと、根菜類を各々別個に湯がくとありますがめんどくさいので泥抜き・アク抜きの意味でごぼう、里芋とれんこん、ついでに人参はそうしましたが、他はまとめて煮ました。
まあ、そのうち慣れればこなれた味になることでしょう。